プロジェクト

PROJECT

「いきる、たのしむ、サステナブる」、Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)のユーグレナ・フィロソフィー(企業哲学)を体現するー株式会社ユーグレナ広報・山内ゆりかさん

2021.12.26

みなさんこんにちは!国際協力サロンの渡邉です!

今回は株式会社ユーグレナ 山内ゆりかさんをお招きした勉強会の様子をお届けします。

山内プロフィールを拡大表示

山内ゆりかさん
2016年、横浜市立大学(国際関係学)卒業。卒業後、株式会社ユーグレナにて、美容営業部門に3年3ヶ月従事したのち、2020年1月、JICA海外協力隊へ参加。東ティモール赤十字社で保健衛生を通した小中学生へのエンパワメントに携わる予定だったものの、新型コロナウイルス感染症により無期限出国延期を余儀なくされる。2020年5月より、株式会社ユーグレナに広報担当として復職すると共に、現在は個人の活動として美容×国際協力として英語のヘアアレンジ動画の発信を行う。

YouTube ▼instagram

現在は株式会社ユーグレナにて広報担当として、またご自身でも美容×国際協力をテーマにinstagramやYouTubeで発信を続けており、ユニークなキャリアを歩まれている山内さん。山内さんがキャリア選択において大切にされていること、また所属される株式会社ユーグレナでの事業について、お話くださいました。

My lifelong goal

日々生きていくなかで大切にしていること、目指したい未来の姿。みなさんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。

山内さんのlifelong goal。
それは、” ”美容”で元子ども兵、ギャングの自尊心を向上させ、”情報”で機会格差を是正し人生の選択肢を広げる”ということ。

中学生のころから国際協力、特に子ども兵や児童労働の問題に関心があり、大学でもこれらの分野を専門に勉強してきた山内さん。

勉強を重ねる中で、多くの元子ども兵たちにとって社会復帰が難しい真の理由は、彼らのスキルが足りないからではなく、「自分は兵士以外に生きる道はない」と考えてしまう、彼らの心の中にあるものだと気づいたと言います。

大学3年時にはイギリス・リーズ大学へ私費留学。子ども兵についての学びを深められた貴重な時期になりました。

留学時代の様子を拡大表示
留学時代の様子

しかし、帰国後、”ある制度”の存在を初めて知ることとなったのでした。

「海外大学留学のための奨学金制度」

大きな資金を注ぎ込みイギリス留学を叶えたものの、経済的負担を軽減するための機会にも触れられていなかった自分に、悔やんでも悔やみきれないほどの思いを抱きました。

情報を得ることの重要性を身をもって体感した経験となり、この時から”情報機会”というものが自身の人生においても重要なテーマとなったのでした。

大学卒業後は、新卒で株式会社ユーグレナへ就職。仕事でも国際協力がしたいと、創業のきっかけそのものが”国際協力”だった、ユーグレナに決めました。

しかし、配属先は美容の営業の配属に。国際協力がしたいという想いから就職を決め、バングラデシュでの事業に携わりたい!その一心だった最中での美容営業配属。

初めは強く落ち込んだと言いますが、美容の営業を続けるなかで、「ユーグレナの化粧品を使ってお肌が綺麗になったおかげで、外に出るのが楽しくなりました!ありがとう!」お客様からそう、直接お言葉をいただいた時、今までにないほどの温かな大きな幸せを感じたと言います。

自身の働きかけで大切なお客様に”勇気”や”喜び”を届けられたこと。そして、心からの幸せを感じられたこと。

今までは「国際協力に興味がある」と思っていたいことも、更に深く踏み込み、「国際協力」中でも「エンパワメント」に対する関心が強いのかもしれない。だからこそ、子ども兵の社会復帰に関しても、長く勉強を積み重ねられたのかもしれないと気づくきっかけともなり、自分自身の理解をも深める経験となったのでした。

その後2020年1月、JICA協力隊へ応募し無事に合格。数年後を見据えたキャリアプランの中で選択したJICA協力隊への道でしたが、3月には新型コロナウイルス感染症により出国が延期になり、株式会社ユーグレナへ広報担当として復職することとなりました。

訓練時代の様子を拡大表示
JICA協力隊 訓練時代の様子

新型コロナウイルス感染症の蔓延により日本から出られなくなってしまいましたが、ユーグレナへ復職できたことで初めて知った”広報”という仕事の楽しさ。当社事業の成長が社会問題の縮小に繋がる、ソーシャルビジネスの楽しさ。そして、尊敬する仲間、社長の近くで働ける環境にいられること。

また、プライベートの活動として”美容×エンパワメント”を世界に発信すべく、”美容×ソーシャルグッド”をテーマに発信を続けられている美容師さんの元へお話を聞きに行動を起こす時間をつくれたこと。

きっかけとなった美容師さんとを拡大表示
きっかけとなった美容師さんと

これまでは「国連機関や国際組織で国際協力の仕事がしたい」と考え、行動を選択してきましたが、広報での経験や、美容×エンパワメントの自身での活動を通して、「どこに所属するか」よりも「自分が何をするのか」という生きていく上で大切にしたい考え方に出会うことができた素敵な機会になったのでした。

現在も、ユーグレナで広報担当として活躍される傍ら、自身でも美容×国際協力を広めるべく、発信を続けられています!ぜひチェックしてみてください🌼

株式会社ユーグレナ
いきる、たのしむ、サステナブる。

お話の後半には、山内さんが広報担当として活躍されている株式会社ユーグレナについてご紹介いただきました。

株式会社ユーグレナとは2005年12月に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功した東京大学発のバイオテクノロジー企業です。

創業者である出雲社長が学生時代、アジア最貧国と言われたバングラデシュで目のあたりにした栄養失調問題を「栄養豊富な食材で、解決したい」という想いから株式会社ユーグレナは創業されました。

出雲社長が栄養豊富なユーグレナに目をつけた当時、ユーグレナの屋外大量培養技術は確立されていなかったそう。ユーグレナは栄養豊富なばかりに、人間だけでなく魚、プランクトンなど、あらゆる生物がユーグレナを欲します。ユーグレナは食物連鎖の最下層にいるため、ユーグレナが育つためのプールの中に1匹のプランクトンでも入ってしまうと、それがユーグレナを食べてしまい培養できなかったため、屋外での培養は不可能とされていました。

しかし、研究に研究を重ね、2005年12月に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功。現在はユーグレナ・フィロソフィーとして”Sustainability First”をかかげて、「ユーグレナの幸せが誰かの幸せと共存している状態」を目指し、「ユーグレナの事業成長=社会問題の縮小」となるようヘルスケア事業、エネルギー事業、ソーシャルビジネスなど幅広い分野で事業を展開されています。

画像5を拡大表示

栄養豊富なユーグレナ

それでは、”ユーグレナ”とはどのような生き物なのでしょうか。

微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)(gracilisx100-0027)_(株)ユーグレナを拡大表示
ユーグレナ(和名:ミドリムシ)

ユーグレナは藻の仲間であり、光合成を行う植物の側面を持つ傍ら、鞭毛(べんもう)を持ち自分で動くことができる動物としての側面も持つ、非常に珍しい生き物です。大きさは非常に小さく、全長0.05~0.1mm。平均的な髪の毛1本の断面図(0.07mm)よりも小さい生き物です。

植物と動物両方の側面を持つユーグレナは、食物資源としても植物性と動物性の両方の栄養素を含んでおり、59種類の豊富な種類の栄養素を持っています。

また、ユーグレナの油が飛行機や自動車の燃料と性質が似ていることから、ユーグレナを活用したバイオ燃料も製造しています。2021年6月には、ユーグレナ社のバイオ燃料「サステオ」で実際に飛行機も飛んでいます。すごい、ユーグレナ。

バングラデシュでの事業紹介

株式会社ユーグレナの創業のきっかけとなったバングラデシュ。数ある事業の中から、今回はバングラデシュでの2つの事業についてご紹介いただきました。

Vol.1 ユーグレナGENKIプログラム
ユーグレナの入った栄養豊富なクッキーを、バングラデシュの小学校に配布する事業、GENKIプログラム。

1食分のユーグレナクッキーで、バングラデシュの子どもたちに特に不足している栄養素1日分を補うことができるのです。2014年の4月から配布を始めたユーグレナクッキーは、2020年、ついに累計配布数1000万食を突破しました。

GENKIプログラム ユーグレナクッキーを食べる子どもたち を拡大表示
GENKIプログラム
ユーグレナクッキーを食べる子どもたち

しかし、コロナ禍によるロックダウンのため、2020年3月からおよそ1年半もの間休校が続く現地小学校。コロナ禍でも栄養摂取のアプローチを止めてはならないと、現地スタッフがスラム街を訪れユーグレナクッキーを配布。

また、小学校の先生方とも話を重ねた結果、クッキー配布の時間のみであれば子どもたちの通学も許可されることに。子どもたちには一度に2週間分のクッキーを持ち帰ってもらったりと、試行錯誤を重ね、栄養を届けるためのアクションを起こし続けています。

2021年9月には、ロックダウンが解除され、実に1年半ぶりに学校が条件付きで開校されました。学校再開後は、以前のように子ども達が学校に登校した際にユーグレナクッキーを渡すことができるようになりました。

1年半もの間、クラス全員での授業を受けられていなかった子どもたち、そして先生の喜びは計り知れません。いくつかの学校では、学校再開を祝い風船や仮面が用意され、お祭りのような1日となりました。

もちろん、まだまだロックダウン前の状態に戻ったわけではありませんし、1年半もの休校が与えた影響は計り知れませんが、GENKIプログラムはこれからも変化に柔軟に対応しながら、子ども達に栄養を届けていきます。

ユーグレナクッキーを受け取る子ども達を拡大表示
ユーグレナクッキーを受け取る子ども達

Vol.2 農業支援ソーシャルビジネス〜緑豆プロジェクト〜

バングラデシュでよく食べられる緑豆(りょくとう)。実は、もやしの原料でもあり、日本人にも馴染みのある食物ですが、日本において緑豆は一切生産されておらず、調達の100%を輸入に頼っています。(89%中国、10%ミャンマー、1%その他)

このような背景の中、バングラデシュでの緑豆栽培の農業指導を実施することで、バングラデシュで栽培される緑豆の品質及び収穫量を向上させ、農家さんの収入原を増やす。そして収穫した作物を現地に安価で提供する、緑豆プロジェクトが実施されています。

緑豆栽培の様子を拡大表示
緑豆栽培の様子

また、プロジェクトによって増量された収穫分は日本へも、もやしの原料として輸出。日本にとっても、中国・ミャンマー以外に新たな輸入ルートを確保することができ、日本・バングラデシュ双方にとってwin-winの関係が成り立っているのです。

更に、2019年2月より日系企業初となる国連世界食糧計画(WFP)と事業連携を開始。

この事業では、生産された緑豆をWFPを通してロヒンギャ難民キャンプ内のE-Voucherショップで販売し、難民の方々に届けらるようになりました。”食糧支援”の枠を越え、ロヒンギャ難民の人々にとって馴染みのある緑豆を届けることで”食”への楽しみをももたらしているのです。

WFPとの事業連携調印式を拡大表示
WFPとの事業提携調印式

おわりに

「どこに所属するか、ではなく、自分が何をするのか」

ユーグレナへの深い愛を感じるお話をしてくださったこと、そしてどんな状況をも自分色に染めていく、山内さんの力強くもしなやかな姿がとても印象的でした。また、山内さんの美容×国際協力の活動、そしてユーグレナのあれこれについて、サロンメンバーも興味深くお話に聞き入った素敵な勉強会となりました🌼

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